学術的に、桧は針葉樹ヒノキ科に属し、北は福島県から
南は九州までの広範囲に生育しています。
大きなものになると、樹齢300年を超え、高さ30m・
胸高直径1mに達します。
杉と並び植林も盛んで、現在では樹齢100年以上の良材も
見られます。特に奈良県吉野産の植林木の歴史は古く、
技打ちなどの伝統的な手入れは、江戸時代より続いています。
桧の特徴と使用用途について
材質が比較的柔らかく加工しやすいため、建築用材はもちろんの
こと、建具用材、木工用材、彫刻材(仏像、能面)など多方面で
使用されています。法隆寺などの社寺建築に多く使われている
ことをご存知の方は多いのではないでしょうか。
また、桧舞台や桧風呂のように「桧」を用いた言葉が一般にも
浸透しているため、日常においても馴染み深い針葉樹です。
● 木曽桧 ・・・ 長野県木曽地方産 天然木
● 吉野桧 ・・・ 奈良県吉野地方産 主に植林木
● 東濃桧 ・・・ 岐阜県東濃地方産 主に植林木
他に、四国各県産材や静岡県産材、埼玉県産材の
天然桧も良材として有名です。
木曽桧と尾州桧について
木曽桧と尾州桧は、同じ種類の桧です。古くから関西地方を中心に木材業者の間では木曽桧のことを
尾州桧と呼ぶ傾向がありました。これは江戸時代、木曽の山々が尾張藩の直轄地で尾張徳川家が木曽桧を
管理していた事に由来しています。